一生黒歴史

俳優オタクのメモ書きです。

メサイア暁乃刻、心から

メサイア暁乃刻が終演を迎えた。

長い長い夜が明けた。


私はこの物語に触れることで長い長い夜に迷い込んでしまったような感じでした。

何度みても自分はこの物語の熱をしっかりと受け止めきれているのかよく分からなかった。
麻痺してしまった。
それくらいに衝撃的な出来事でした。


けれど大千秋楽のカーテンコールで

2人の完成形はこれだ。と

全てがストンと収まった気がしました。


赤澤燈さんと廣瀬大介さんのメサイア
廣瀬大介さんがステージに残した役を背負った赤澤燈さんが板の上で生きる、そのステージをこれから声優として生きていく廣瀬大介さんが声が優しく包み込む、メサイア暁乃刻
赤澤さんが廣瀬さんの笑顔を「最愛の人の笑顔」って記した事実がとっても優しいく美しい。

人の心に染み渡る美しさがある言葉だと思いました。

白崎護が悠里淮斗を想うように、赤澤燈さんは廣瀬大介さんのことを思っていて、悠里淮斗も白崎護を、廣瀬大介さんも赤澤燈さんを、同じ熱量で当たり前のように想っていたんだなと確認することができてほんとうに良かったです。


役者さんをここまでボロボロにする作品もないけれど、それ以上にボロボロになったときに目を見て抱きしめて、涙を拭ってくれる相手が隣にいる作品も他にないと思いました。本当にメサイアという神秘に触れる事が出来たのは嬉しく、誇りです。
今回のメサイア暁乃刻の脚本、本当に希望と絶望が紙一重すぎて、観る人にとって希望になるのか絶望になるのかが完全に役者さんに委ねられてるところが凄いなと思いました。これが制作会社変わって最初の作品なの本当にやばいです。赤澤さんを、メサイアを好きで良かった!

赤澤さんは「座長」だから自分がみんなを支えて引っ張るんだって1人で走って、カンパニーは赤澤さんは「座長」だから自分たちが座長を支えるんだ。背中を押すんだって必死になって走って、でもやっぱり赤澤さんの背中が1番大きくて、、、、すご………(この流れ美少女戦士セーラームーンで読んだ……)
支えられて護られたって良いのに赤澤さんは「座長」だから支えなきゃ、護らなきゃ。って唇を噛み締めていたんだな…………とおもうと涙がでます。

カンパニーをタイヤのように腰にくくりつけて走る隣に悠里淮斗がいないという事実に、赤澤さんはどれだけ寂しい思いをして、どれだけ歯を食いしばったんだろう。綺麗な体に無数の痣を作って、折れそうになりながらもひとりで、ひとりで引っ張って走りきった赤澤さんに心を動かされていることを心から誇りに思います。

その走りきった先で廣瀬さんが手を広げて待っていてくれて、なんて幸せなことなんだ。世界は丸いわ。と思いました。


本当に、本当にお疲れ様でした。

赤澤さんのブログが更新されて何度も読んで噛み締めてやっと少しずつ悠里淮斗と白崎護の美しく、儚く透き通るように綺麗な優しい物語が、悲しい以外の感情が色濃くなって受け止めきれる兆しが見えました。

白崎護と悠里淮斗は、自分が生きることで相手を護る、相手が生きることで自分を生かしているからこの結末なんだ。

インタビューで、「質問に対して求められている模範的な回答をしてしまうところが自分と白崎の共通点」と言っていたけれど、この赤澤さんが綴った文章はきっと本当のこころをお書きになられたんだなって思える。赤澤さんの優しい文章がやっぱり好きだな〜〜と思いました。

 

少しずつ淮斗との関係を「少し頑丈な卵になりました」「鋼の卵になりました。」って言っていただけでも嬉しかったのに「2人で1つの鳥になって羽ばたいて…」感無量。神。

 

ブログ更新前に

「怖い。赤澤さんが綴った時がメサイア暁乃刻が本当に終わってしまう時だと思う。
からこわい。ともるーむの更新が怖い。」

とツイートしていたのですが、終わってしまった今、赤澤さんが解放されて良かった。やり遂げて下さった。ゴールが切れて良かった。そのゴールにメサイアがいて、隣に立って抱きしめて涙を拭ってくれて良かった。良かった。

心からそう思います。


でもこんなこと言うの本当にワガママで申し訳ないんだけど、淮斗にも護とお揃いの衣装を作って欲しかったです。淮斗がチャーチのコートのままだとなんなか淮斗の時が止まってしまったまま卒業したみたいで少し悲しくなりました。やっぱりともるくんもお揃いの衣装に袖を通せると思っていただろうから余計に…

(追記:という話を知人にしたところ、「淮斗が出てきた時、紫微のシーンと重なってダメでした」という感動はこのコートじゃなければなかったことだから、それが全てではないか。と言われました。その通りだと思ったので追記しておきます。)

 


全てを救えるのは白崎護ただ一人

その白崎の心を救えるのは悠里淮斗ただ一人なんだ

淮斗が失踪したと知ってから護はずっと淮斗のベットで長い長い眠れない夜を過ごしていたのかもしれない。やっと護がゆっくり心を休めて眠ることができる。


「あぁ……淮斗……」
散ったはずの淮斗の花弁が天に昇って行くところに護が手を伸ばしている光景が心から離れません。
護が受け止めて生きることで天に昇る淮斗花びらが護の花と一緒になって、誰にも負けない2人でひとつの桜の花が咲いたように思えました。

淮斗の桜の花は散ったんじゃなくて護と一緒になったって心からそう思えるのは赤澤燈さんの力です。赤澤さんの背中を永遠に追いかけたいなって思いました!

 

高野と白崎の関係がとっても大好きで、白崎は本当にこの道を選んで良かったのだろうかって初めて紫微を観たあの日からずっと考えていたんですが、護は淮斗と歩きたかったんだな。淮斗と2人向き合って歩いて行きたかったんだな。それを高野は背中を押してくれていたんだなって思いました。


こんなに沢山の人におめでとうって言ってもらえる護と淮斗は幸せ以外のなにものでもないですね。


卒業おめでとうございます。

自分が白崎と悠里、沢山のサクラ達の護った桜の綺麗な国に住んでいることがなによりの誇りです。

 

こんなに頑張って、踏ん張っている人達を、頑張っていない人間が拝見して良い訳ないんだ。メサイアに触れるためにまた毎日がんばろう。
私みたいな鼻クソ人間も明日からまた頑張ろうという気持ちを貰いました。

 

 

このメサイアという作品は人の心に根をはる大きな桜の木なんだと思うことにしました。
そしてこの作品が私の心に根を張っている限り、きっと私は護と淮斗の物語に「本当にこれで良かったのか」と永遠に問いかけてしまうのだと思います。でもそれで良いんだ。少しずつ受け止めきれているけれど、やっぱりこの物語の結末を完全に受け入れるにはまだまだ時間が必要だと感じて、それで良いと思えます。
この作品に触れた人間が人生のふとした瞬間にこの桜の木を想う。その想いが彼らを、サクラを生かして行くんだなとおもいます。

 

メサイア暁乃刻、心から。